前回投稿(虚実の常識?-2)への再コメント、ありがとう御座いました。 タイ式マッサージのセラピストで在りながらも、頑張ってお読み下さって、「抵抗力(抗病力)の強弱=虚実」と認識された、との事でした。その「抵抗力」は、古典的な言葉としては「精気」と言い換えられます。同様に、病気にさせる力が「邪気」です。
 つまり「精気の強弱=虚実」との認識ですから、なかなか筋の良い理解です。その意味の解釈も有力な説として存在します(下記powerpoint参照)。

肥痩


 
東洞と南涯

 「一見痩せている」だけで「虚」として、補法(例えば人参のような高貴薬で体力を付けさせる治療)をする様な短絡的診断の横行を、東洞は「酷い間違いだ!」と嘆いています。吉益東洞(ヨシマス トウドウ)は、日本の漢方に大きな影響を残した「古方」と称する学派の大家です。
 東洞自身は腹診で見つけたシコリ等の「毒」を劇薬で取り去る泻法を重視しました。
 息子の南涯は、その泻法偏重への反発なのか?邪ばかりでは無く「精気」に注目します。日本の漢方では東洞と南涯の見解が、その背景を無視して誤解されてしまったように見受けられます。

(以下、「形」と「気」-1に続く。)