前回は、2016年の合宿での発表を決意し、伝統医療の立場から「この温熱療法の呼称」を決める必然性を自覚させられて古典の調査を始める過程の話でした。そろそろ「熨」の字に思い至たった経緯の話に入るのですが、もう少し前提条件の解説を続けます。
 今回は解説の都合上、時系列では後の投稿では有りますが、先ずFacebook「柳原はりきゅう院」2017年10月27日 の写真を再掲します。その記事は「燃焼部分を金属に変えたら、火力が安定した。しかし、ネジで固定した箇所から陶器の台座がひび割れてしまう。( ̄ー ̄)ウーン、何か補強策は・・・。」となっております。
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 この投稿自体は一年ほど後ですが、実は既に2016年の合宿の前に「燃焼部分を金属に変え」た物を試みて居たのです。 以前に、僅かな改善効果が有った事に縋って、理由も解らず金具を色々と変える試行を暗中模索で続けた事は話しました。ですが、嫌気が出てきてしまいました。
 そもそも「金具が何故改善に繋がるのか?」という事の理由が解って居ないのです。そのモヤモヤとした感じをビジネス用語を借りて言ってみます。様々な検討課題の中で最優先に注力すべき焦点としての「イシュー(Issue:本質的な論点の課題)」が特定できて居ないのです。その問題、ここでは「安定した高い火力を得る事」への的を得た解決法を探索出来る様に成って居ないので方向違いの暴走に疲れてしまっている、と表現できると思います。それは、言わば「正しい方向性をキチンと探り切って無い」事を、直感的には判っているのに、何か根本的な要点に気付けないでいるという嫌な感じです。
 以前(「熨法」とは?-5)に「灯油ストーブ等には、大概は付属されている取付け器具(アタッチメント)の「ヒーター気化器」の役割は、燃料の予熱ですね!それと同様に燃焼前の燃料を予め加熱して、着火直前の燃料に熱が均一に伝わる様にする金具を嵌めたら如何だろうか?との考えで試行していた頃の場面です。」と書いた様にイシューを「燃料の予熱」と捉えられる様に成ったのは実はずっと後の事でした。真似た元々の機能をチャンと理解せずに、形だけを真似ていたからなかなか気付け無かったのです。
 その様に理論的にイシューを特定することが未だできては居なかったのですが、直感的にというよりは、もうヤケクソ的にですが、偶然やって見たら「意外に良かった!」のです。
(「熨法」とは?-10へ続く)